顔くぼみ、腰に壊死も 大阪の中3長男虐待
どう見ても異常である。特に、「内縁の妻」による虐待がひどく度を超えていたようである。
しかし、それにうすうす気づいていた学校も、
「抗議恐れた」と中学校 相談所への通報、校長知らず
と及び腰になり、生徒指導の教師から通報を受けた児童相談所も、
認識甘かったと児童相談所 同居女の話真に受け
また近所の人も気が付いていたようだが、
<中3男児虐待>近所も学校も気が付いていた 児相、怠慢認める
と、まったくセーフティー・ネットが機能しなかったことが明らかになった。
平成12年に改正された
保護者のない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認める児童を発見した者は、これを福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。
と定義している。生徒指導の教師は、この条文に従って通報したのであって、校長や近所の人にも、この「義務」に従っていなかったことに関しては、問題があったことになる(この条文の存在は、もっとよく知られなければならない!)。中学校からの連絡を正式な通報かどうか確認しておけば、その後、警察と連携するなどして、今回の事件は防げたかもしれない
と話したという。しかし、校長からの連絡でなかったこと、他の案件と合わせて報告されていたことなどから、正式な通報とみなすことはできなかったのではないか、と思われる。そして問題がもう一つ。児童福祉法は、第25条を謳う一方、第27条第4項で、
第1項第3号又は第2項の措置(里親、保護受託者、各種児童福祉施設や指定国立療養所等へ入所させ保育/療養すること)は、児童に親権を行う者(第47条第1項の規定により親権を行う児童福祉施設の長を除く。以下同じ。)又は未成年後見人があるときは、前項の場合を除いては、その親権を行う者又は未成年後見人の意に反して、これを採ることができない。
と規定している。この条文からすると、今回の事件のようなケースでは、実際には「虐待」として扱われていなかったがゆえに行われていなかった「家庭訪問」をしていたとしても、すぐに引き取り、必要な入所または入院加療ができたかどうかも疑わしいことになる。これらの問題点が重なったために、このような悲惨なケースが発生してしまった。それでは、いつ身近なところで起きないとも限らないこのような「
まず、現在準備されている児童福祉法の改正方針の中で、「被虐待児を施設入所させる際、家庭裁判所が審判前でも親と引き離す仮処分をできるようにする」ことが盛り込まれているようだが、もう一歩踏み込んで、「被虐待児に『入院』が必要な場合には、児童福祉所長または児童相談所長の権限で、家庭裁判所に仮処分を申請し、すみやかに親と引き離すことができるようにする」規定にすべきではないか。それから、「虐待の可能性がある」旨の通報を受けた場合、児童相談所は、必ず被虐待の可能性がある児童と医師など専門家とともに面会し、虐待事実ができる限り見逃されないよう努力する規定も盛り込みたい。
しかし、セーフティー・ネットが機能するためには、法的な努力だけではまったく不足で、児童福祉法第25条の存在が広報などにより周知徹底されるとともに、学校や地域がしっかり取り組むことが必須である。また、これから親になる人への「親になる」とはどういうことかについての啓蒙活動も、もっと真剣に考えられなければならないであろう。

