小泉首相の再訪朝が正式発表された。細田官房長官は認めていないが、早くも「拉致家族8人と帰国へ」といった報道も見受けられる(いくら何でもフライングが過ぎる気がするが)。
この際、次の参議院議員選挙に向けての人気取りパフォーマンスだとか言われることについてはここでは触れない。北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)への拉致問題について、再訪朝では「現在日本にいる5人の拉致被害者の家族8人の帰国」のほかに、「北朝鮮が「死亡」「行方不明」と回答した拉致被害者10人については、調査委員会を新設して、安否の確認作業を続ける」と報道されている(ソースは「拉致家族8人と帰国へ」の記事)が、本当に拉致された人の数はそれだけなのか。「特定失踪者問題調査会」のサイトを見ると、ほかにも「拉致の確率が高い」とされる「1000番台リスト」だけでもさらに15人が特定されている。
「拉致はテロだ!」と「救う会」全国協議会は主張する。テロかどうかについてはここではコメントしないが、無辜の民を拘束して彼らが何らかの目的に利用したとすれば、少なくともこれはとんでもない人権蹂躙事件である。そのうえ収容所問題(参考:姜哲煥「収容所経験者として今もうしあげたいこと」)もあるような国に対して、なぜそう簡単に「日本から北朝鮮への人道支援を再開」する、などというある意味「危険な」提案をしようというのか。この問題だけでなく、核の問題、人権問題などを多面的に評価し、六カ国協議の参加国が足並みをそろえて出すべきカードではないのか。こんなことのために、「ニッポンなど恐れるに足らず」と評価されようものなら、わが国にとって「北朝鮮の脅威」は、増すことこそあれ、減ることなどあり得ないと考えるのである。
小泉首相の再訪朝はあと一週間に迫っているが、これが単なる「人気取り」かつ北朝鮮側にとって都合のいい結果に終わることなどあってはならない。政府には綿密な計画をお願いするとともに、われわれもその一挙手一投足をしっかりと監視していきたい。

