今回の問題で何より重要なのは、業界団体(=主に日本レコード協会)さんに「早く成立させてくださいよ」とケツをたたかれている文化庁さん(すなわち「官」−「業」癒着)という構図。しかも、同じ「官」の中でも反対の立場を明確にしているところもある。それを証明するのが、(1)文化庁ホームページ内の文化審議会著作権分科会報告書−第1章:法制問題小委員会−II:検討の結果−1:関係者間の合意が形成された事項(ちなみに、審議会(分科会)メンバーには、当然日本レコード協会会長も名を連ねている)と、(2)公正取引委員会の出している「参考資料:レコード輸入権創設に係る公正取引委員会の考え方」という文書。特に(2)は、公の機関からの大変重要な発言内容なので、まだの方は必ずお読みいただきたい。冒頭の文章からしてこれ。
競争政策上,下記の理由から現状においてレコード輸入権(輸入を禁止できる権利)を創設することは問題があると考える。
そして、最終段は次のように終わっている。
今回,CD等に輸入権を認めると,今後,他の著作物(ゲームソフト,ビデオ等)について同様の権利を求める要望がなされた場合,輸入権の対象が拡大するおそれがある。
……賢明な読者諸氏ならこれで充分おわかりいただけると思うが、これは純粋にありとあらゆるエンタテインメントを楽しもうとしているひとりひとりにとっての問題になってしまっている、ということである。ちなみに言っておくと、こちらはあまり騒ぎになっていないが、「書籍・雑誌等の貸与権」も合わせて法案として出てきていることにも注意が必要である(参考サイトの(1)(2)に詳細が)。
法律条文の裏側を読むこともせず、ある意味「いいかげん」な文化庁さん(当然裏には業界団体)の主張に「はい、そうですか」と引いてしまう参議院議員のみなさんもどうかしている(そんなことでは「参議院」の名に恥じます!)が、この法案成立を止められるのはもはや衆議院のみ。
衆議院議員の皆さん、今問われているのはあなたがたの「良識」です。
参考になるサイト:
(1) コラム IT@RIETI/no46:特別企画:著作権法改正についての論点整理(その1)ならびにno47:特別企画:著作権法改正についての論点整理(その2)
(2) (上記を補完する意味で)バーチャルネット法律娘 真紀奈17歳(2月28日付の「著作権法改正に関する論点」と、3月6日付の「著作権法改正に関する論点整理(2)」を参照)
(3) BENLI(知的財産権が専門の小倉秀夫弁護士によるウェブログ。今回の改正案は著作権法に対するモノ!)
(4) 海外盤CD輸入禁止に反対する Stop the Revision of the Copyright Law(sound.jpさんによるまとめサイト、Blogもあります→海外盤CD輸入禁止に反対するBLOG)
(5) OTO-NETA/クラブDJも困るよ!J-WAVE:JAM The Worldの放送内容(規制対象一覧表がわかりやすく秀逸!)
(6) [be on Saturday - 朝日新聞]ヘンじゃないか輸入権/山形 浩生(評論家)(My Clipで以前から話題となっていた記事。「いま」の売り上げを伸ばすこと「だけ」が大事な業界の言うことを聞いているとどうなるか?)
(7) 絵文録ことのは/洋楽が買えなくなる!?レコード輸入権の問題点がわかってきた【ロフトプラスワン報告】(詳細な分析と関連リンクはこちらへ、力作FLASHも広げましょう[ファイルのアップロード機能がないここではできませんが=苦笑])
(8) wanderのエトセトラ日記/日本の洋楽ファンの皆様へと言う声明を見て(←この記事は、主に(7)ならび(8)に触発されて書きました)
(9) Dubbrock\'s Dublog/
著作権法の一部改正 日本から輸入盤が消える…かもしれない。(間接的に(4)を知るきっかけとなった、音楽評論家・藤川毅さんのweblogより:おまけ/藤川さんがロフトプラスワンでのシンポジウムに使ったパワーポイント・プレゼンテーションの内容)
(10) 音楽配信メモ(音楽関連の情報発信もととして、多くの人の信頼を得ている。当然この問題についても多くのエントリーが!)

